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第十六章 超過労働税

労働時間短縮を進め、残業等には課税する

幸福とは何か

国民の幸せのための税制を述べて来たが、ここで、幸福とは何かを考える。幸福と言うのは、主観的なもので、当人が幸せだと思えば、それで良いが、客観的基準がないと、幸せのための税制を考えるのに困る。ここでは、幸福とは、長生きが出来る状態であると定義する。

悲しみや、心配で、夜も眠れず、食事も喉を通らない状態は、寿命を縮めるから不幸である。夢と希望を持ち、よく眠り、よく食べ、よく働き、よく遊ぶ、これが長生きができる状態であり、幸福である。良い環境、バランスが取れた食事、心と身体の適度な運動等が、幸福の条件である。

労働時間短縮

働き過ぎは、幸福の条件に反し、麻薬中毒と同じである。政府が教育的指導をする必要がある。 まして、他人を働かせ過ぎるのは、麻薬の売人と同じで、高率の課税が相当である。

年間労働時間を定め、それを越えて働かせた雇用者には、超過時間に比例した課税をする。 この数十年、我々が苦心して進めて来た技術開発、生産性向上は、何のためであったか。

今では、虚栄のためとなった、大量生産、大量消費で、限りがある地球の資源を浪費し、公害をまき散らすためだったのか。世界中に不景気を輸出し、つまはじきされるためだったのか。一部の人は身体をこわす程働き続ける一方、大部分の人を失業させるためだったのか。勿論、そうではあるまい。生きるための必要悪であるところの、非人間的労働の時間を短くし、余暇を楽しむことが出来るようにする為だった筈である。

今後十数年は、まだ環境改善、社会資本整備の仕事がある。だがその先は、どんどん労働時間短縮を進めて行かなければならない。原始時代から、人間は、生きるために働いて来た。それは、本能にまでなっている。だから、完全に働くことを止めるのは人間性に反する。かえって不幸になる。寿命を縮める。

老人も、働ける間は、働かなければならない。ただし、ほんの少しだけで良い。老人の労働時間は、若い人の半分に制限する。いっぱしの老人なら、新入社員の半分の時間で二倍の仕事はする。老人を雇用する企業には、補助金を出す。老人が適度に働き、相応の所得を得られるようにする。

老人は、新しい仕事には適応できない。停年退職して、全く別の仕事に就くのは不合理である。それが若い時からの夢であり、本人が希望する場合は、もちろん、それで良いが。大部分の場合は、永年やって来た仕事を続けたいに違いない。それが許されないために、心ならずも別の仕事につくケースが多い。

企業は、停年制を廃止すべきである。但し、年をとるほど勤務時間を短くし、賃金は、働きに応じて定め、少額でも良い。たとえば、六十才以後は、朝は十時から、午後四時まで、週に三日、月給は三分の一とする。(停年を過ぎても、お情けで雇ってやると言うわけで、別会社制にし、有給休暇も減らし、若い人の嫌がる、辛い仕事をさせるなど、論外である。)

六十才前から、窓際で時間をつぶしていた人は、こうは行かない。六十才を待たずに転職した方が良い。彼らは、年功序列制の犠牲者である。まだまだ役に立つ仕事はできる。ただ、学歴と年齢にふさわしい、体面を保てる仕事が、無いだけである。

生きるために、過酷な労働に耐えている人は、悲惨である。今時、そんな人は居ないが。しかし、何もしないで、時間がたつのを待っている窓際族は、もっと悲惨である。こういう人は、停年になって退職し、レベルの低い仕事についても、かえって生き生きと働くようになる。

生きるためではなく、お金のために、残業を重ねている人々は、幸せである。娘の結婚式を豪華にするためとか、門構えの立派な家を建てるためとか、目的は何であっても、夢と希望を持って働いているからである。こういう人は、六十才を越えても、転職してでも、まだ頑張るだろう。それはそれで良い。

趣味と実益を兼ねて、働いている人は、最高に幸せである。仕事に興味を持ち、仕事に喜びを感じている。仕事が遊びであり、遊びが仕事である。六十才を過ぎても、もっと働きたいと言うだろう。しかし、止めた方がいい、そんなことを続けていれば、早くすり切れてしまう。リラックスしてほかの事もやり、視野を拡げれば、もっと、良い仕事ができるだろう。ペースを落として、長生きして、後進の指導にあたるのも良い。

仕事に停年はないが、職務には停年が必要である。六十才を過ぎても俺が俺がと頑張って、老害を囁かれるより、いざという場合に適切なアドバイスができる余力があるうちに、社長を退いて相談役になり、若い者に社長業の修業をさせる方が良い。

要するに、日本人は働き過ぎである。もっと幸せになるために、超過労働税は必要である。その他、深夜勤に課税する。単身赴任も非人間的であるから、できるだけ避けるべきである。一年以上、出張、転勤等で従業員を家族から引き離したときは、雇用者にそれが良いことでは無いことを思い出させる意味で少額の課税をする。

中年婦人の労働力活用

子育てを終えた女性が、看護助手としてパートで働きながら勉強し、容易に看護婦の資格を得ることができるような制度を設ける。

こうすれば、年をとっても元気な間は、パートの看護婦として働き、充実した人生を送ることができる。同時に、若い看護婦の過重な労働を軽減させることになる。

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