HOME …> 純粋税制批判本文 …> 第二十章 補遺

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補遺

現在の日本経済の惨状は、すでに12年前、本書で正確に予見され、対策も示されている。 根本原因は富の偏在が進んだことにあり、思い切った再分配を実行する他に改善する方法はない。 その大筋は本書に述べられているが、より具体的に、ここで説明する。

全国民平等(子供も含む)に毎年20万円を支給する

この財源として消費税を5%上げ10%とする。 これによって、日本経済は、忽ちかつての活力をとり戻す。 その理由は、分配金26兆円のうち、少なくとも10兆円は消費に廻る。乗数効果を3倍とすれば約30兆円と見られる需給ギャップはほぼ解消する。 多くが、土地代等に吸収される公共事業より波及効果が大きい。

値上げ前のかけ込み需要により、急激に景気が良くなるが、その後の反動は次年度分の分配金配布によって緩和される。 税率を数回に分けて上げればよりスム−ズにできる。 5%の物価上昇によって約2000兆円の金融資産は100兆円目減りし、 それに見合う負債は実質で100兆円減少するから金融危機も回避される。

財産税を創設する(税率0.01%から出発)

これは、金融資産、固定資産等すべての資産に平等に毎年課税するものである(時価で評価し、負債は差し引く)。 当分は自己申告に任せ、査定はしない。 そのかわり、各人の申告額がインタ−ネットでわかるようにする。 税率が低いので社会的信用の方がより重視されるから、ひどい過少申告は多くないだろう。 10億円を超える過少申告は、後年きびしく査定し、さかのぼって徴税する。

プライバシ−を云々する人及び少額でめんどうな人は申告しなくてよい。 税務署が大金持ちにはきびしく、普通はゆるやかにドンブリ勘定で査定し、公表はしない。財産税は分配金から差し引く。 それから、毎年ゆるやかに税率を上げて行く(1%目途)同時に相続税、贈与税は下げていく。

財産税の創設によって、将来の財政破綻の心配なく、分配金等に必要な国債の増発を行うことができる。 其の他の税制改革も、このような工夫をすればスム−ズに進められるだろう。 上述したように、日本経済の再活性化は、極めて容易である。

しかしながら、経済成長はそもそも不可欠だろうか。たとえGDPが半分になっても、 全国民が健康で文化的な、幸せな人生を送ることは可能な筈である。 消費が減り、成長が止まれば、忽ち、悲惨な目に合う人達が発生するのは収奪者が存在するからである。(第7章消費は美徳か?参照) 現代の収奪は、過半が資産所得を通じて行なわれている。

金持ちの浪費がなければ貧乏人は生きて行かれない制度になっているのである。 民主的な税制と、適切な経済運営があれば、経済成長がなくても、ゴミの山をつくらなくても、地球環境を破壊しなくても、みんなが幸せになれるのである。

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